ロシアがウクライナに侵攻した理由

2022年2月24日にロシアがウクライナへの軍事侵攻を始めました。現在、ロシアが戦争をおこなっているニュースが多く報道されていますが、ロシアが何故、ウクライナに侵攻を始めたか知りたくなり、調べてみました。

ロシアから見たウクライナへの思い

9世紀後半から13世紀半ばまでの期間にキエフ大公国(キエフたいこうこく)という国がありました。ロシアはキエフ大公国を文化的祖先としてみています。そして、かつてキエフ大公国の中心的都市だった場所が、現在のウクライナの首都キエフになっています。

そのような歴史があるためロシアは「同じルーツの国」としてウクライナをみているようです。

ウクライナに対するプーチン大統領の思い

2022年3月現在のロシアの大統領はプーチンです。プーチン大統領はウクライナを「兄弟国家」と呼び、2021年にプーチンが発表したという論文には「ロシア人とウクライナ人は同じ民族」とも書かれていたそうです。そのくらいプーチン大統領はウクライナに特別な思いを持っているようです。

ソビエト連邦の一部だったロシアとウクライナ

1922年から1991年までのあいだにソビエト社会主義共和国連邦という国がありました。略してソ連と呼ばれることもあったその国は15の国家が集まって構成されていて、その中にロシアとウクライナも含まれていました。

1991年にソ連が崩壊したのをキッカケに、ロシアとウクライナは両国とも独立した国として歩み始めます。

ウクライナから見たロシア

ソ連が崩壊して独立した国として歩み始めたウクライナに住む人々は、2022年現在までにウクライナ国民という意識を強めていきました。それと同時にウクライナの中でロシアとの「同じルーツをもつ兄弟国」という意識が薄くなっていったようです。

東部と西部でロシアへの思いが違うウクライナ

同じウクライナでも東部と西部でロシアに対する思いが違うという意見があります。ウクライナの東部と西部それぞれの状況を比較してみました。

<ウクライナ東部>

  • ロシアと隣接している
  • 東部住民にロシア語を話す人が多い
  • 歴史的にロシアと深い関係にある地域

<ウクライナ西部>

  • 18世紀にオーストリアの領土になった歴史がある
  • ロシアではロシア正教会の信者が多いが、ウクライナ西部にはカトリックの影響が残っている
  • ロシアから独立したいという考えを持つ者が多い

ウクライナ侵攻前後のプーチン大統領の言動と行動

2015年2月フランス・ロシア・ドイツ・ウクライナの首脳会談が行われ、参加した4か国が停戦協定「ミンスク合意」に署名。
ウクライナ侵攻の数年前ロシアとウクライナの国境付近にロシア軍の大規模配置を開始。
ウクライナ侵攻の数か月前プーチン大統領「ウクライナの攻撃、侵攻は無い」と繰り返し発言。
2022年2月21から22日
  • 親ロシア派ウクライナ分離主義勢力が支配してきた「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立をプーチン大統領が承認。
  • この二つの共和国のためにロシア軍を派遣させる。
  • EU欧州委員長とEU首脳会議議長が「ロシアはミンスク合意と国際法に違反している」との声明を発表。
2022年2月24日
  • ロシア時間の午前6時(日本時間正で昼の12時)直前、プーチン大統領がロシア国営テレビで国民に向けて「ウクライナに反ロシアが作られようとしている、現在、ロシアがおこなっていることはロシアを守るためだ」と演説を始める。
  • 陸海空からロシアがウクライナ侵攻を開始。

<参考>