社長の犬 2021/11/29

冬準備

今日は朝から寒かった。数日前、仕事中に数匹の雪虫を見かけた。雪虫は一年中いるそうだけれど私は子供の頃に聞いた「雪虫が現れると近いうちに寒くなる」という話を信じていて、実際、雪虫を見かけた翌日から朝の寒さが強くなっていっていた。

クラタンは主に工場内の機械が止まっている時間、昼休みや終業から始業時間のあいだにゲージから出され、工場内を自由に歩き回ることを日課にしている。多分、この工場内を歩き回ることがクラタンにとっての工場見回りに当たるのではと考えている。

クラタンは工場内を歩き回って巡回するときに十台以上ある機械のあいだや下を自由に歩き回る。そのためクラタンの身体は機械油で油濡れしていた。日ごとに寒くなる朝にゲージの中に居るクラタンを見るたびに「寒いだろうな」と思うようになった。

なので今日、クラタンのゲージの床に4~5枚の新聞紙を敷いた。新聞紙なんて敷いても意味ないのではと思う方がいるかもしれない。新聞紙はクラタンの身体の油分を吸い取る。前の冬期間中に新聞紙を敷いた期間のクラタンの体毛は良い加減に油分が抜けてサラサラになっていた。

朝に新聞紙を敷くことを決め、昼休みにクラタンが中庭に出ているあいだにゲージに新聞紙を敷いた。17時にタイムカードを押すときにクラタンのゲージ前を通りかかったときにクラタンのゲージを見てみると、ゲージの中で丸くなっていたクラタンがこちらを見ているのが見えた。

クラタンのおやつ作り

私は数か月前からクラタンのおやつを手作りしている。手作りといっても鶏胸肉を切ってフライパンで焼くだけだ。以前は電子レンジを使っていた。電子レンジを使っていたときは「鶏むね肉チップス」を作っていた。

週に2回、3カ月くらい作り続けていたら11月に入った途端に電子レンジが壊れてしまった。資金的に新しい電子レンジを購入できなかったので、電子レンジを使用しないクラタンのおやつ作りの方法を探さなければならなくなった。

クラタンのおやつ作りの方法を探している最中、クラタンのおやつは市販のもので済ましていた。けれども手作りおやつと市販のものとではクラタンの反応が分かりやすいくらい違っていた。なので私は早く新しい手作りおやつの方法をみつけなければと焦るようになった。

そこでフライパンで電子レンジで作る「鶏むね肉チップス」に近いものを作る方法を見つけ出して、前の日曜日から作り始めた。フライパンで初めて作ったおやつを食べたクラタンの口から涎が垂れ落ちた。それを見て私は心の中でガッツポーズした。

クラタンが美味しそうに手作りおやつを食べるので、私も一口食べてみたら止まらなくなってしまい、クラタンの残り物を15時の10分休憩に全て食べてしまい、帰宅後にクラタンのおやつを作らなければなと思った。

帰宅後、夕ご飯を食べたあとで眠くなったので、1時間くらい仮眠をとることにしたら目覚めると3時だった。私は帰宅後に回していた洗濯機から洗濯物を取り出し干し終わったあと、クラタンのおやつを作り始めた。手作りおやつを作り終えたのは4時になっていた。そのあと1時間くらい寝て5時に起きて出勤した。